時系列リーケージ

アルコールを飲んでも良いことは何もないと知って、アルコールを控えているうちにめっきり弱くなり、最近は少しだけでも酩酊しますね。

先日も絶対に飲まないと決めていたのに、ご一緒した方から「まあ、そういわずに」と勧められて仕方なく飲んでしまって前後不覚に。

とりあえず帰り着いたのは間違いないですが、いつどこにいたのか、時系列がどこかに消えてしまいました。

つい調子に乗ってしまう人間の弱さを、つくづく情けなく思います。こんなことばかりしている人間が、AIにとって変わられようとしているのは、当然ですね。

さて翌日、二日酔いで頭が働かないでいると、朝からまあまあ面倒な話が入ってきました。

今、受精卵の発育を判別するため、AIに機械学習をさせるプロジェクトを進めています。もちろん既成のソフトはあるのですが、グループのクリニックで独自で必要な仕様があり弊社で開発中です。

で、エンジニアが、私の設計だと「時系列リーケージ」が起きる、と言い出したのです。
これは機械学習の誤謬の一つで、時系列のあるデータを学習データとして与えると、過学習で見かけの精度が高く出てしまうというもの。

しかし、今回は、時系列データこそが解析対象なのだからリーケージではない。逆にランダム化したデータセットを学習に使うと、予測精度が低くなってしまいます。

しかし、これを説明するのが恐ろしく面倒。形式的には「時系列リーケージ」に該当するので、教科書通りの解釈をしているエンジニアに、今回の解析の数学的な本質をわかってもらう必要がある。

でも、二日酔いでは本当に無理。うまく言葉にまとめて質疑に付き合うのが辛すぎる。
で、賢いchatGPTに面倒を押し付けて、説明させることに。AIだからAIのことは良く分かっているだろうと思ったのが間違いでした。

chatGPTも教科書的理解で、エンジニアの肩を持つのです。角度を変え、矛盾を指摘し、chatGPTを論難すること30分、やっと求めていた答えが出てきました。

まあ、背景知識とかあるので仕方ないですが、賢さといっても色々あり、今のAIの賢さでは及ばない、人間の理解の幅を改めて思わせられました。

その後、前夜にご一緒した方からメッセージがありました。「気が付いたら自宅のマンション前の植え込みで寝てました」とのこと。

やっぱり、AIの方が賢いです。

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